豊かさに遊ばせる
村上春樹の本は「世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド」から、急に難しくなった。(というように僕は感じた。)
二重構造というストーリーの構成も難しかったのだが、彼独特の比喩や言い回しも急に難しくなった。
とにかく「羊をめぐる冒険」の次に、この本を読もうとしたせいか、最初は戸惑った。
しかし、数十ページも読み進むと、その違和感も少しずつ少なくなり、その後は、どっぷりと村上ワールドに浸る。
このあたりは、さすがです。
でもね、はっきり言っちゃうと、本当に難しかった。今でもきっとよく分からないと思う。
だけど、そもそも、小説は「分かる」ものだろうか?
何かを感じればいいと思う。
「漠」としたものでいい。
その物語の世界で、自分の精神を豊かに遊ばせればいいのだ。
おまけに、この小説で僕はますますジャズの虜になった。
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世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド
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世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド新装版